酷暑が続く7月ですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
熱中症対策には十分気を付けていきたいですね。
さて今回は自動車のエアコンについて。
自動車のエアコンは構造的に家庭用のエアコンと大差ありません。
ただ、自動車の場合はいろいろな気象条件に加え、エンジンの熱や外気などによって
備え付け家庭エアコンと比べるとやや厳しい使用条件となっております。
よくあるトラブルが「エアコンの冷えが悪い」「まったく冷たい風が出なくなった」
などですね。
原因はいくつか考えられますが、風は出ているのに冷たくないという場合 ほぼエアコンシステム自体に異常があると推定されます。
ここでエアコンの構造を簡単に説明を。
たとえばアルコールを肌につけると(すぅ~)っとして蒸発します。
肌は冷たくなりますね。その冷たい感覚をずっと継続したい・・・そのためには蒸発したアルコールをもう一回液体に戻して再び肌につければよいわけです。
そういった作業がエアコンシステム内では行われているわけです。
コンプレッサー(圧縮機)で冷媒(エアコンガス)を圧送します。
圧縮されるとガスは熱を帯びますので、冷やす為に車両先端付近にあるコンデンサーという冷却装置でガスを冷やしてやります。家庭用エアコンでいう「室外機」のようなものですね。
そしてそのガスはそのまま配管を通り、室内配管あたりでスプレー状に勢いよく噴射されます!ここで先ほどの肌にアルコール現象のように一気に冷たくなります!冷たくなった配管(ガスの部屋)を後ろから扇風機で風を送ることによって室内に冷たい風となって出てくるわけですね。
そして蒸発して気体となったガスをコンプレッサーで圧縮して再び液体にもどして・・・
ザックリですが以上がエアコンの基本構造となります。
つまりエアコンが聞かない原因は一様ではないという事なんですね。
それとたまに目にする「エアコンガス補充やってます!」の広告。
家庭用エアコンで定期的にエアコンガス補充はしませんよね?普通は。
つまり補充が必要なエアコンはガス漏れが起きているという事です。
この場合単なる補充ではなく、漏れの原因を突き止めて修理するのが正解です。
もちろん応急的な補充も要望さえあれば行いますが、漏れは放っておいても治るどころか酷くなる一方ですので当店では早めの点検・修理をお勧め致しております。
BMW ミニのエアコン修理です。
風は出ますが温いです!
先ずはガスの状態をマニフォルドゲージを使って調べます。
ガスはタップリと充填されていました。
そして次にコンプレッサーを点検。
A/Cをオンにしてもコンプレッサーが動いておりません。電気は来ているので恐らくはコンプレッサーの不良が考えられます。
ちなみにエアコンガス(冷媒)は地球の大気に悪影響を及ぼすといわれており、むやみにガスを大気放出させてはいけない決まりになっております。
特殊な機械を使い、ガスをすべて回収してからの作業となります。
上が取り外した古いコンプレッサーで、下が新品です。
新品を取り付けて先ずは配管内の気密チェックを兼ねて「真空引き」という作業に移ります。
システム内を真空状態にしてやることによって内部の水分を蒸発させ充填するガスの密度を高めることができます。
1時間ほどポンプで真空引きを行いゲージ針をチェック。
異常なければガスを充てんして完了です。
コンプレッサーも長い目で見れば「消耗品」ですので、以前よりも効きが良くなった気がします!