W220メルセデスベンツ・Sクラスの、フロントロワーボールジョイントの交換作業です。
自動車には様々な可動箇所があり、特に足回り等には多くのジョイント部(人間でいう関節のような部分)が使用されています。
こちらの車両はステアリングを切るとフロントジョイント付近より、(ギギギ・・・・)
という異音がでていました。
メルセデスは特に足回りのリンクやジョイント部品が多用されていて、その異音特定には時間を要します。
全て丸ごと交換してしまえば解消するのでしょうが、莫大な費用がかかってしまいますのでここは慎重に!
下部ボールジョイントブーツに破れを発見、どうやらここから雨水が侵入、錆が異音を発生させている可能性が考えられます。
廻りの部品を慎重に外して、特殊工具を使用して古いボールジョイントを引っこ抜きます。
ちなみにこの工具はSST(スペシャルサービスツール)といって、こういった作業にしか使えません!それゆえに高価な工具です。
上が新品、下が古いボールジョイントです。
古いほうは完全に封入されているはずのグリスがなくなり、錆で動きも悪くなっていました。
そして新しいジョイントを圧入します。真っ直ぐにゆっくりと。
ここでも先ほどのSSTが活躍します。
*これが無い場合、すべてを車両から切り離しプレス機などを使って脱着しなければなりません。
無事に交換作業は完了しました。このあと全て元に戻し反対側のボールジョイントも同様に交換しました。
結果、不快なギギギ音はすっかり解消されました。
修理作業のなかでも「異音修理」というのは時間と根気を要します。
診断を誤ると違った部品の交換にもつながります。
一発で、安く解決したい作業ですね!